忍ぶ川

 

忍ぶ川

忍ぶ川

 

木場や洲崎パラダイス、浅草、青森のロケ、そしてカメラの叙情がとても素晴らしかった。撮影は黒田清巳という方だそうだ。「竹山ひとり旅」*1や「讃歌」*2「裸の十九才」*3など撮られているそう。美術の木村威夫氏もお名前をよくみかける。経歴をみていると「春琴物語」*4「警察日記」*5「女中ッ子」*6河内カルメン*7けんかえれじい」など拝見しているなあ。

とてもまじめな男女の出会いのお話なのだけれど、うっすらと自分の記憶の中にちょっとセンセーショナルに取り上げられていた部分があったようにも思って・・今見るとまさにこの映画の肝になるよいシーンのことをいっていたのかな・・結構昭和40年代とかそういう宣伝の仕方もあったような気がする。この年代のもので割合共通だけど、音楽(松村禎三氏)がシリアスで最後まで緊張感を持って見続けた。でもよい作品だと思う。熊井啓監督の作品の、たましいがしっかりある感じいつも感服し、かつ、心地よいなあと思いながら拝見している。といって堅苦しいわけでもなくみるものを拒まない、ひきつけるつくりだ。