カルメン

 

カルメン [DVD]

カルメン [DVD]

  • 出版社/メーカー: 東北新社
  • 発売日: 2001/11/21
  • メディア: DVD
 

カルロス・サウラ監督のカルメンカルメンを制作している現場での物語と現実の交錯。

カルト風味とかでなく文句なしに感銘を受けるような作品を観たくなりこちらをチョイス。

観てから、アントニオ・ガデスとパコ・デルシアのよい空気がとても心に残って、そういやパコ・デルシアの出てくるフラメンコのドキュメンタリーをみたなあと検索してみたら、この映画も5年前にしっかり観ていることが判明*1し、びっくり。(ドキュメンタリーの方はこちら)。すっかり忘れていた。5年前の感想に載せていたクリスティーナ・オヨスの素晴らしい表現力などは今回も感じ、多分前回よりもっとくっきりと認識したように思う。

今回はアントニオ・ガデスその人より一緒にその場にいる面々(ガデス・バレエ団や、スペイン舞踊会のガデスの友人とパンフレットにあった)の方に気持ちがいった。ちょっと場が緊張したときなどに、気分を変えるように手を叩き踊りだすあの空気素敵。ダンサーたちの普段の姿勢の良さもとても心に残る。

今回は杖を使った決闘のシーンがとても印象的だった。影も使った表現も効果的。撮影のテオ・エスカミージャはサウラ作品に不可欠の人で、色と光りの表現が最上の評価を受けているという。そして、決闘のシーンでガデスと対決したファン・アントニオ・ヒメネスは、クリスティーナ・オヨスの夫で名高い踊り手であり、妻のひきいる舞踊団で素晴らしい脇役ぶりをしめている、とビデオ同梱の解説に書かれていた。

現実と舞台劇が交錯するこのはなし、劇的をあえて避ける幕切れもシャープで良かった。