関西

がめつい奴

CSで放映されなんとなく録画していた「がめつい奴」(1960)。監督が最近立て続けに観ている千葉泰樹と知り観てみる。 movies.yahoo.co.jp 釜ヶ崎の自称「ホテル」が舞台。(黒澤明の「どん底」*1のような住環境。)生き馬の目を抜く人々の暮しっぷり。…

ピンクサロン 好色五人女

1978年 田中登監督作品。 冒頭「故 井原西鶴氏に捧ぐ」の文字。そして始まるピンクサロンのお盛んなさま。西鶴、教科書に出てくる元禄文化の代表者ということで何か挑戦的なおかしみを感じたりもしたが、文化デジタルライブラリーの元禄文化の解説*1を読…

ブラック・レイン

ブラック・レイン (字幕版) マイケル・ダグラス Amazon またまた有名すぎて鑑賞に時間がかかった作品。先日ETVの「ワルイコ集まれ」で松田優作のことを取り上げていた時、いかに彼が遺作となったこの作品で壮絶な演技をみせたかという話が出ており、みてみな…

わが町

わが町 辰巳柳太郎 Amazon 織田作之助原作。川島雄三監督。1956年。大阪の風景がふんだんに出てくる。 冒頭フィリピンで道路建設に携わり帰ってきた主人公役辰巳柳太郎のコテコテで活力に溢れすぎた雰囲気に完走できるか不安を抱いたが、明治から昭和の戦後…

「悪名縄張荒らし」、「悪名」

NHKのBSプレミアムで再放送している田辺聖子がモデルのドラマ「芋たこなんきん」をすごくゆっくりゆっくり観ているのだけど、國村準氏演じるパートナー、カモカのおっちゃんの父を演じる小島慶四郎さんのとぼけた味が気になり、小島さん出演作の「悪名・縄張…

盗まれた欲情

盗まれた欲情 長門裕之 Amazon 中河内にドサまわりのテント劇団がやってきて、だしものは、ストリップめいたカンカンショーと、みんながよく知っている古典的芝居。テント劇団に場所を貸してやる懇意のケチな地主の息子に小沢昭一。劇場での物販で一儲けしよ…

大阪

大阪 作者:岸 政彦,柴崎 友香 河出書房新社 Amazon 社会学者の岸政彦さんと作家の柴崎友香さんが交互に大阪テーマでエッセイを書かれているもの。刊行された時朝日新聞に対談が載っていてそこでも語られているのだが、大阪の通天閣だとかこてこてだとかのイ…

二人が喋ってる。

「二人が喋ってる。」「金魚の一生」 犬童一心監督作品集 [DVD] 発売日: 2004/08/06 メディア: DVD 1996年犬童一心監督作品。観たのは「二人が喋ってる。」だけ入っているVHSビデオ。 今はピン芸人で活躍している吉本興業のなるみとコンビを組んでいたしずか…

寝ても覚めても

寝ても覚めても 発売日: 2019/03/06 メディア: Prime Video あらすじをきいていた時は恋愛もの、50代後半に差し掛かっている自分が今さら楽しめるのだろうか?だったが、ものすごく面白かった。ナチュラルなのに鋭くて、よくわかるとなった。物語のキーと…

猫と鰹節

猫と鰹節 ある詐欺師の物語[VHS] 発売日: 1989/01/15 メディア: VHS この商品を含むブログを見る twitterに大阪市立図書館のVHS資料が2020年に貸出中止になるという情報と、それにあわせて、大阪府図書館から郷土資料といえるこの映画が所蔵品から消えて…

大日本スリ集団

大日本スリ集団[VHS] 発売日: 1989/01/15 メディア: VHS この商品を含むブログを見る 戦場で同じ時間を過ごした 小林桂樹と、三木のり平が刑事とスリという立場で迎える戦後。そのつかず離れずの感じが「犬」シリーズでの天地茂と田宮二郎との関係に似ている…

紀の川

あの頃映画 「紀ノ川」 [DVD] 出版社/メーカー: 松竹 発売日: 2006/04/27 メディア: DVD クリック: 55回 この商品を含むブログ (21件) を見る ストーリー自体はとてもパワーのある作品だと思う。映画としてできあがった時の表現がちょっと一本調子に感じてし…

雪花の虎 7

雪花の虎 (7) (ビッグコミックススペシャル) 作者: 東村アキコ 出版社/メーカー: 小学館 発売日: 2019/03/12 メディア: コミック この商品を含むブログを見る 終盤小浜や朽木が出てきて身近。ちょっと京都から軽くドライブというエリアだ。朽木村に足利義藤…

讃歌

新藤兼人監督版「春琴抄」。ちょうど直前に見た神代版「鍵」*1でモダンでクールな娘を演じておられた渡辺督子さんが主演。百恵ちゃん友和バージョン*2とかだと民主主義社会的な視点で理解しうる美しい物語にしあげてあったのが、こちらでは丁稚は丁稚という…

徘徊 ママリン87歳の夏

日本映画専門チャンネルにて。 www.nihon-eiga.com 深刻ぶって突き放すのとは反対の、問題点はみつめながらのみこむ感じが良い。娘さん、以前猫のいるギャラリーということで訪ねたことのある大阪北浜の10W gallery の方。ママリンがとてもかわいらしく装っ…

スクラップ集団

野坂昭如原作らしい飛躍ありつつのコミカルでシニカルな作品。同じ野坂原作の「とむらい師たち」も思い出す。元医師の三木のり平が、釜ヶ崎の飲み屋で前職が、し尿処理、ケースワーカー、くず拾いの三人を見つけスクラップ会社を設立し。。という話。戦後昭…

初春文楽公演

www.ntj.jac.go.jp初春文楽公演第1部 午前11時開演 野澤松之輔=作詞・作曲 山村若栄=振付 二人禿(ににんかむろ)伽羅先代萩(めいぼくせんだいはぎ) 竹の間の段 御殿の段 政岡忠義の段 壺坂観音霊験記(つぼさかかんのんれいげんき) 土佐町松原の段 沢…

桜の森の満開の下

桜の森の満開の下 [VHS] 出版社/メーカー: 東宝 発売日: 1988/04/05 メディア: VHS この商品を含むブログを見る ふと頭に浮かんだのはダニエル・シュミットの「ラ・パロマ」。耽美な世界にいききってしまうある種の幸せ。 若山富三郎、殺陣のときなど、勝新…

彼女がその名を知らない鳥たち

彼女がその名を知らない鳥たち 特別版 [DVD] 出版社/メーカー: 松竹 発売日: 2018/04/25 メディア: DVD この商品を含むブログ (1件) を見る wowowの「W座からの招待状」という小山薫堂と信濃八太郎が案内する主にミニシアター系の映画を案内する番組では、こ…

国立文楽劇場 11月文楽公演

第1部 午前11時開演蘆屋道満大内鑑 (あしやどうまんおおうちかがみ) 葛の葉子別れの段 信田森二人奴の段桂川連理柵 (かつらがわれんりのしがらみ) 六角堂の段 帯屋の段 道行朧の桂川第2部 午後4時開演 鶊山姫捨松 (ひばりやまひめすてのまつ) 中将姫雪…

火まつり

1985年キネマ旬報賞主演男優賞受賞、毎日映画コンクール日本映画優秀賞作品。この映画の予告編は当時ミニシアターでみていて、浮ついた大学生だった自分には縁なき世界の話のように思えていたが、今見るとすごく興味深い。この年齢でみることができて本当に…

鉄砲犬

犬シリーズの田宮さん、調子よくてとても後味がよい。「ほな、サイナラ」っていう決めゼリフのキザすぎない感じが絶妙。関西弁効果もありか?関西人のかっこよくなりすぎることを恐れる気質、いいなあ!またまた天地茂のショボクレ刑事も魅力的。決して浮つ…

水無瀬・大山崎〜映画「家路」

先日大阪で若い知人に会った時、水無瀬の長谷川書店というところに行きたがっていた。時間の都合で回れなかったのだけど、中村佳穂さんという方のCDが欲しかったからだったそうだった。教えてもらったyou tubeが力強くて透き通っていてとても良く、また偶然…

Relish

うれしい食卓―小さな町の料理教室 Relishのごはんレシピ作者: 森かおる出版社/メーカー: アノニマ・スタジオ発売日: 2008/11/13メディア: 単行本(ソフトカバー)この商品を含むブログ (4件) を見る以前確か新聞に紹介されていて、この本を買っていくつか定…

ごろつき犬

1965年作品。 天知茂さんの追悼だったかで天知さんの思い出としてこの犬シリーズの「ショボクレ刑事」を挙げる人がいたが、ほんと素晴らしい!今でたとえたら松田龍平のような、クールな美男がオーラを消してしょぼくれている感じが最高!彼なくしてこの作品…

セトウツミ 3-8

二人の川辺の会話の妙に知的な空気を、お気に入りのラジオのように楽しんでいたら、8巻に来て、驚きの展開。現実には永遠に続くものなどないけれど、主人公が永遠にその学年を生き続けるような作品に慣れているもので・・急に必要があってこういう展開になっ…

菊とギロチン

オフィシャルサイトパンフレットの冒頭に 「自主自立」「自由」という、お題目を立てて映画を作りたかった。 今作らなければ、そう思った。 という瀬々敬久監督の言葉があるのだけど、今の世の中の直したいところがここに描かれている甘粕事件後の空気と似て…

セトウツミ 1、2

主人公二人の名前のカタカナ並列だったんだ・・・いい按配の低温。苦笑で人生乗り切る感じ。知的な笑い。美しい作画。イギリス映画に関西まぶしたみたいな、しかもそのほどが絶妙な世界。 セトウツミ 1 (少年チャンピオン・コミックス)作者: 此元和津也出版…

お琴と佐助

衣笠貞之助監督作品(脚本も)。山本富士子がお琴。 先日観た山口百恵がお琴のもの(西河克己監督作)*1も衣笠貞之助と西河克己の脚本で、ほぼこの作品と同じ構成になっていた。本当に細かいところが違っているくらいで。なので対比してみる楽しみがあった。…

濡れた欲情 ひらけ!チューリップ

間寛平のヒット曲「ひらけ!チューリップ」が流行ったころ、この神代作品とのつながりからか、子どもが歌っていいんかな?と思うようなどこか後ろめたい感じがしたような・・この映画は、パチプロ師と釘師の対峙する青春ものをロマンポルノの中で描いた感じ…