寝ても覚めても

 

寝ても覚めても

寝ても覚めても

  • 発売日: 2019/03/06
  • メディア: Prime Video
 

 あらすじをきいていた時は恋愛もの、50代後半に差し掛かっている自分が今さら楽しめるのだろうか?だったが、ものすごく面白かった。ナチュラルなのに鋭くて、よくわかるとなった。物語のキーとして出てくるのが牛腸茂雄さんの写真。佐藤真監督が撮られた「SELF AND OTHERS」というドキュメンタリーでなじみがあった。下のオフィシャルサイトのトップに出ている二人の双子の女の子の写真は、まさに顔は似ているけれど、性格の全く違う二人の男性(東出昌大による二役)を象徴する感じもあるし、キューブリックの映画「シャイニング」の双子のような、どこか不安を掻き立てるものもある。そして、二回出てくる牛腸さんの展覧会でのそれぞれの男性の反応がとてもそれぞれらしく、効果的な使われ方をしている。

www.cine.co.jp

原作は柴崎友香氏。映画で、リズムの基本淡々とした感じ、友人との関わりあいなどの雰囲気から、柴崎さんの「きょうのできごと*1や「きょうのできごと、十年後」*2にも共通する空気を感じたのだけど、監督の「ハッピーアワー」*3もやはり人と人との何気ない日々からのドラマで、もちろん両方の個性がブレンドされてこの作品が出来上がってはいるのだろうけれど、まだ触れていない原作の手触りをぜひ確認したいなと思った。

 
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映画の中で、東日本大震災の日や、東北 名取市が出てくる。関西の描写の中にも、震災とは関係ないけれど、主人公の女性の考え方に影響するようなエピソードが出てくる。こういうことがあってこのひとはこう思うんだなということが、とても胸に落ちた。

 
笑顔とハート3つ