なんとなくキューブリックの映画の影響を感じる作品。スタートの「恋の季節」からしてピンキーとキラーズ風の扮装で若者がカラオケを楽しんでいるのだけど、帽子の感じなんかから「時計仕掛けのオレンジ」風に見える。ラストも「博士の異常な愛情」的。安藤政信や松田龍平などの若者たち対樋口可南子、岸本加代子などのおばさん連の殺し合いストーリーなんだけど、おばさん連の中で鈴木砂羽が光って見える。
最初の方に出てくる連呼のフレーズなどは原作の村上龍の文体をとても感じさせる。市川実和子が透明で華奢で「愛と幻想のファシズム」のヒロインをふと思い出す。
群馬と埼玉の県境の川べりで雑貨屋を営んでる原田芳雄扮するおやじから核兵器の作り方を学ぶシーンがあるのだけど、「バトル・ロワイヤル」の爆弾作りのように運動闘士の匂いを感じた。
それぞれ昭和歌謡に乗せて話が展開するが「骨まで愛して」のシーンに出てくる扮装は「愛の嵐」ぽかったし、古田新太が唄うバーでのママの敬礼は「秋刀魚の味」の岸田今日子風味も。