ライザ・ミネリの誕生日にtwitterで「ステッピング・アウト」をすすめておられる方がいらして観てみた。田舎町のタップ教室講師をしているライザ・ミネリの姿がとても健気で、女性の恋愛とキャリア問題もうまく描かれていて入り込めた。
物語が進むにつれじわじわと教室に来ている人の人生がみえてくる。まるで自分もその教室の一員になったみたいに、自分の心に寄り添ってくる、「Shall we ダンス?」の御先祖のような映画。人と人が一堂に会することによって生じる共同社会の縮図みたいなものがあたたかいタッチで描かれ、群像劇の好きな自分にとてもフィットする。
監督のルイス・ギルバート氏、今までに「フレンズ」*1やマイケル・ケインの「アルフィー」*2を観ているがどちらも好印象。ふや町映画タウンおすすめに入っている「旅する女 シャーリー・バレンタイン」も撮っておられるのでそちらも拝見。
子ども二人が独立、夫と二人暮らしでキッチンの壁としゃべりくすぶっていた主婦シャーリーの物語。そもそものあきらめ人生の始まりの学校時代のエピソードがその後の展開にうまく生かされ、よい脚本。描き方のコントラストの付け方がうまい。人生後半期にさしかかる主人公の思考の行く末が頭でっかちでなくちょうどいい塩梅。歯に衣着せぬトークなど友人をみているような気持ちで楽しめた。