サイレント・ムービー

 

「奇跡の人」*1アン・バンクロフトがとても素敵で、その彼女がおふざけ映画のイメージのメル・ブルックスと結婚していたこともほんと面白くてさらにいいなと思い、彼女の出ているメル・ブルックス映画「サイレント・ムービー」を観てみた。

彼女はサリヴァン先生とは打って変わって華やかなドレスに身を包みひれ伏される役なんだけどもうかっこよくてみていてうっとり。メル・ブルックスの妻らしくエンドロールでは変顔も見せたりして、ああなんて素晴らしい!

映画自体はほんとくだらないギャグの連発ではあるものの彼女をはじめ多数のカメオ出演がとても華があってそこは見どころ。マルセル・マルソーの表現力、ポール・ニューマンの茶目っ気、ライザ・ミネリのあたたかみ、バート・レイノルズの自己パロディめいた姿、そこらへんは文句なしに楽しく、お祭りをみた、という感じ。

訳のセンスも時代の空気をえらく吸い込んでいたし、隠されたLGBTQの問題を描いた「セルロイド・クローゼット」*2を観たあとではなんだか気になって笑えないギャグなんかも多発していたけれどそれも含めてやはり時代を映しているとはいえるだろうな。