ロッキー

 

物心ついた時から?テーマ音楽はずっときいてきた「ロッキー」

それ故観なくてもわかっているかのような錯覚に陥り観るのが遅くなった。だけどサブカルチャー史の番組で紹介されたり、ふや町映画タウンのおすすめだったりでこれはさっさと観ておくべきだろうと決断。ほんと観てよかった。

ロッキーの置かれてる70年代のフィラデルフィアのイタリアコミュニティの描写が丁寧で。ロッキーの人柄が好ましく。自分はいい腕を持っていたはずなのに30歳を迎えボクサーとしていまいち咲ききらず借金取り立ての下請けまで手を染める始末なんだが、若いものにはズブズブの人生は送ってもらいたくないからつい説教。あげくにうるさがられ。

動物が大好きでタリア・シャイア演じるペットショップの地味な店員のこともなんだか気に入っていていつもとりとめのない話をして。ロッキーの日常、人となりの描写がちゃんとしているから愛すべきイタリア青年の物語にぐんと入り込める。

タリア・シャイアがまたいい。頭が悪いから体を鍛えろといわれたロッキーとは真逆の、地味だから自立しろといわれ読書に勤しむような内気な性格。躊躇しながらロッキーに心を開きどんどん美しなるところもとても自然で説得力がありとても良い。

ロッキーにアメリカン・ドリームのチャンスを与えひとつの演出にしようとする黒人チャンピオン アポロの登場の演出もすごく凝ってるし、アメリカのショー・ビズ的な世界がまた面白い。アルドリッチ監督の「カリフォルニア・ドールズ」でもプロレスの盛り上げ最高に面白かったし、格闘技に興味のない自分も心が湧き踊ったな。

「ロッキー」のラストへのもっていきようもとても気に入った。夢を信じられるこの加減。

「グリーン・ブック」や「ドゥ・ザ・ライト・シング」などで描かれているイタリア社会、そして黒人社会の重なり合いにも思いを馳せた。