ロンゲスト・ヤード

 

春頃ピーター・フォーク目当てで観た「カリフォルニア・ドールズ」(1981)がとても良くて続きで借りてみたロバート・アルドリッチ監督、1974年の作品。主演のバート・レイノルズ、自分は後半生のものばかり*1観ていたが、70年代の彼の愛すべき姿がそのまま映画の魅力になっている。冒頭アメリカンフットボール選手を引退し金持ち女に養われ早くも老後のような暮らしをしているレイノルズ。そこを飛び出すところから話は始まるが、唐突にド派手なカーアクションが始まり彼は一体どこに向かっているのか?という気持ちにも。主人公にもそのエネルギーのやり場がわからないようなスタート。

ことを起こして刑務所送りとなる彼の行き先は所長の趣味でアメリカンフットボールに力を入れているムショ。様々な経緯を経て囚人チームを率いることになるレイノルズ。途中メンバーを増やしていくところは「七人の侍」的な面白さ。そこからも一筋縄ではなく、観ているものの怒りのマグマがうまくコントロールされていく。アメフトの試合と人間ドラマがうまくからみあい、ルールを知らない自分にもものすごいアドレナリンが排出され手に汗握り涙まで。うまい。あとで調べたらレイノルズはフットボール奨学金で大学に進学した*2とか。なるほど。

70年代の画面のざらつき、ルーザーの輝きがたまらない。よかったー。

*1:ラスト・ムービースター」(2017)、「ブギー・ナイツ」(1997)、「ブレーキング・イン」(1989)など

*2:バート・レイノルズ - Wikipedia