ハッスル

 

1975年 ロバート・アルドリッチ監督作品。「ロンゲスト・ヤード*1(1974)がとても良くて同じくバート・レイノルズ×アルドリッチ監督のこちらも鑑賞。カトリーヌ・ドヌーヴバート・レイノルズ演じる刑事の愛人役。レイノルズは、すごいロマンチストで「白鯨」やら「男と女」*2カサブランカ」、コール・ポーターなんかが大好き=古き良きといわれるような時代への憧憬を持っているが、自分自身もドヌーヴとの付き合いでは宙ぶらりんとみえるところもあり、理想と70年代的現実の間でもやもやしている。強大な構造の中での彼は彼の思ったように生きることができるのか?という命題をつきつけるところはとても面白い・・が、すっきりしない現状をシニカルに描く作品なのでカタルシス的な部分は少ない。何かもやっとしながら監督が描きたかった気持ちは通じるような、70年代的なやるせなさと捨て置けない妙な余韻は残る作品だった。

70年代のポルノ産業がバート・レイノルズの敵のような形で描かれるが、「ブギー・ナイツ」(1997)ではポルノの帝王みたいな役をしていたなあ。演技派として評価され私も大好きな作品だけど、バート・レイノルズはあまりあの作品を気に入っていなく、その後PTA監督のオファーを受けていないとかも読んだなあ。