男と女

 

この映画も先日観た「フェーム」*1同様音楽が有名すぎ、またよく紹介される場面が印象的すぎて、観たような気になり、何か自分とはかけ離れた話みたいに思っていたが、観てみたら思ったよりずっと親しみやすい。出会いはこどもの寄宿舎、男も女もこどもを大切に思っている親であること、今はひとりでこどもを育てていること、それぞれの仕事を大切に思っていることなどが説明的でなく、さらっと映像を通してわかるようになっていて、二人との心の距離がぐんと近くなる。男の内省が結構事細かに描かれているのも微笑ましいような空気を醸し出している。

逆輸入的な考え方だけど、斎藤耕一監督が和製クロード・ルルーシュのようにいわれていて、先に斎藤監督の映画をみているものだから、映像詩的な表現だとか確かに斎藤監督の元祖といわれるのは納得がいくなあ、美しいなと思う。そして、心地のよい着地。出会ってからのごく短い期間の気持ちの動きを上手に表現してあると思う。

色々好みがあう人がアヌーク・エーメのことを大好きで、この映画を勧められたのだけど、本当に知的で美しく、みていて気持ちが良い。

寄宿舎の舎監の、保護者の男女に対するさばけ方というか大人な視線もフランスっぽい豊かさを感じた。