国宝 下巻 花道編

 

有吉佐和子宮尾登美子山崎豊子みたいなモデルありの昭和の作品を読んでいるような面白さ。残酷さのエッセンスがちりばめられ、先に先にと夢中で話を読み進めたくなる。

主人公の十代から六十代までつきあって、最後は自分の人生の時間とも重なり読み終えて寂しい気分でもある。芸に生きることの喜びと狂気、みなにみつめられる人生。。玉三郎や十八世中村勘三郎とその息子たち、坂東三津五郎歌右衛門、そして野田秀樹の作品など。。そのままモデルではないけれどさまざまな歌舞伎関係者が頭に浮かび歌舞伎のエッセンスを愉しむ。歌舞伎関係者ではないけれど伝統芸能がらみでひところさわぎになった和泉元彌まで思い出したり。

面白かった。 巻末の参考資料も充実。いくつか読んでみるつもり。