これも先日から観ているリュック・ベッソンおすすめとしてビデオシリーズ*1に挙げられた作品。(1988 エティエンヌ・シャティリエ)
赤ちゃん取り違え事件の話で、最初是枝裕和監督の「そして父になる」*2はこちらの日本版?とも思ったりもしたが、検索して「そして父に〜」の詳細を少しづつ思い出すと「そして父に〜」の方はより問題に真面目にコミットしている作品、「人生は〜」は、取り澄ましたものたちの戯画化がとてもうまいコメディ、台詞にもあるのだけど「人生は長く静かな河なんかじゃない、一本道を進んでいけば済むものではないのだからくだらないこと悩まず自分で切り拓いてたのしいものにしていくしかないだろ」っていうさささっとスケッチした洒落た絵画みたいな、野暮なこというんじゃないよというような作品だよな、と思い直した。日常の描き方がとても入り込みやすく、おフランスなどと揶揄されるものとはかけ離れた面白さ。
タイトルにまつわる言葉をさらっと吐き才気を感じさせる美少年を演じたブノワ・マジメル、「王は踊る」*3や「ピアニスト」*4で冷たさと美しさと軽さを併せ持つような役をこなしている俳優か!
「チャオ・パンタン」*5でも当時のフランスでアラブ系移民の置かれている立場がさらっと描かれていたが、この映画にも出てきて、ニュースなどで触れるよりずっと身近に感じさせてくれた。リュック・ベッソンがおすすめシリーズを刊行するにあたってのフランスの色々な表情、表現に触れてほしいという気持ちはちゃんとこちらに届いている。