裸の十九才 - 日常整理日誌

永山則夫をモデルにした男を演じるのは原田大二郎氏。これがなかなかハマっていて、集団就職で東京に出てきた素朴そうな、でもどっちに向かうのかわからない青年という感じが出ていた。
なんといっても強い光を放つのが太地喜和子の出演シーン。
f:id:ponyman:20210109222307p:plain

すごい眼力と魅力。殺伐として危うい青年の暮らしの中で唯一救いのある場面。
あと、印象的だったのは最初の就職先であるパーラーの上司役の河原崎長一郎氏、手堅い演技。殿山泰司さんのユニークな場面。もちろん乙羽信子さんの、宝塚ご出身だったのにここまで！と思うような迫力。
青森の中学の校歌と思われるものを流して少し「情」に力点を置いた感じでまとめてあるこの作品、先に足立正生監督が同じテーマを扱いストイックに仕上げた「略称連続射殺魔」*1をみていたものだから、自分の中での軍配はあちらにあがるが、あの頃の空気が漂っていて、みていて得るものがたくさんあった。特に新宿。恐山のシーンも印象的。

はてなダイアリーでほかの方の感想をみていて知ったこと・・こんな番組もあったんだ。みてみたい。