銀心中

 

銀心中

銀心中

  • メディア: Prime Video
 

 東北、温泉好きの家族がずっと前から観たがっていた映画。岩手の花巻温泉郷が出てくるから。↓こちらのサイトの「文学」のコーナーに原作者田村寅彦が「銀心中」を藤三旅館で書いた旨が。映画の中でも少し名前は変えてあったが通称である「白猿の湯」をイメージさせる名前がついていた。

www.namari-onsen.co.jp

 

 戦争がきっかけで生まれた悲劇を描いているのだけど、映画を自分が観た感じでは乙羽信子演じる女の妄執が長門裕之演じる男を追い込んでいる粘着性のある作品のようにみえてしまった。(新藤兼人監督作品ゆえの粘り?)

原作を読んだ家人がストーリーが少し違うというので原作を読むと、ずっとずっと原作の方が良い。映画の方にも出て来たことは出て来たが殿山泰司が演じる宿の人の扱いがずいぶん違っている。ひとつひとつのパーツは同じでも、色恋沙汰だけの話でなく、彼が生きてきて味わっていた気持ちの集積という色合いが強く、ずっと良かった。映画の方は通俗的になっている気がする。

銀心中 (1961年) (新潮文庫)
 

 馬面電車ともいわれた、花巻温泉郷を走る小さな電車が映っているのは見どころ。こちら↓の川本三郎さんと山下敦弘さんの対談でもあの電車の話がでてきている。

 

getnews.jp

伊東の街のロケも、今も追える場所があり、家人によると楽しめたらしい。