お母さん、いい加減あなたの顔は忘れてしまいました

 

michiro-oiaw.jp

 

映画館でこの恐ろし気な、母親という立場の人間からしたら揺さぶられるようなポスターを目にして一旦全体・・などと思っていたのだけど、その後、これは私の好きな人たちもリスペクトしている遠藤ミチロウさんという人の映画で、彼はザ・スターリンというパンクバンドを主宰し、また、福島出身ということで震災のことにも触れているというようなことを少しづつ知り、日本映画専門チャンネルでの放映を機にみてみた。

まとわりつくような家族というものが苦手で、お若い時のザ・スターリンのビデオクリップなどでも、日常生活を破壊するようなものを作っていた、その感じはわかるなあ。

素顔のミチロウさんは深く思索する静かな人で、吉本隆明さんの本から島尾敏雄さんに触れ、島尾さんのお墓(先祖代々の)が福島にあることから縁を感じられ、島尾さんが従軍した奄美にまで出かけられた。そして、奄美の立場、日本の中央政権に対し、決して対等なつきあいができたわけでなく、わりを食わされ、虐げられている感じに福島と共通したものを感じておられていた。私自身もこの映画を通して島尾さんの経歴をみていると、自分の周囲と関係しておられる項目が多々。一歩近づいた気持ち。

終戦の日に広島でライブを行うことや、プロジェクトFUKUSHIMAなど、自分の信念を形にあらわす、自分の生命に対して真面目な生き方も画面にあふれていた。もう少し早く御存命中にみておいて、ミチロウさんの活動にさっさと注目しておきたかったな。