ニューヨーク公共図書館 エクス・リブリス

moviola.jp

京都シネマにて。

先日絵本作家かこさとしさんの最期のロングインタビューが日曜美術館で放映されていた。その番組や、「プロフェッショナル 仕事の流儀」で拝見したかこさんは、戦争の終わったあと、これからのこどもたちは自分の頭で考えられるように、という気持ちを強く持たれて、とにかく考える材料をちゃんと持てるように正確な知識をこどもたちに届けたいという理念で、最新の知見にあたりながら、絵本を作っておられた。

また仲代達也さんをとりあげた「ファミリー・ヒストリー」でも戦争が終わった途端の教科書の墨塗り、手のひらを返した対応に、教師たち、おとなたちへの不信感を持ったという話が出てきていたが、やはりかこさんと仲代さんの間の年代だった義父が、口を酸っぱくして、教師の言うことをうのみにするのでなく、自分でちゃんと知識を集めることの大切さを唱え、こどもが自分の興味のあることを探求することには100%助力しておられたのを思い出す。(先生のいうことも疑えというようなその言い方に義母は困ることもあったようだが・・)

今日 みたこの映画も、やはりそういう理念、自分の頭で考えて自分で生きていける手伝いをするという仕事ぶりが素晴らしい。

ニューヨークの公共図書館は分館も多く、たとえば地域の子どもに数学に興味をもつキャンペーンをしてみて、その結果の統計をとってみたり、講演会を開いてみたりその仕事は多岐にわたっていたが、共通するのはルーティンに堕することなく、どのようにしたらより良きものを提供できるか、話し合いを大切にして前に進もうとする姿、職務内容は違ってもとても自分の生活(仕事や地域のお役)の刺激になった。