ふや町映画タウンでは「エノケンは控え目登場がいい」という話が定説。この作品や「虎の尾を踏む男たち」*1が例として上がっていた。確かにそうかも。
この作品でもエノケンの出方いいし面白い。古いアパートでの自由すぎるお商売、まるで香港映画「恋する惑星」や「天使の涙」の舞台であるチョンキンマンション的な空気も。
美空ひばりは男の子の格好が魅力的ある。
時代劇等で主人公のコミカルな庇護役みたいなイメージ持ってた堺駿二、こういう抑えめ脇役もいい。
ひばり映画、よく身近な人が簡単に亡くなったりして*2安易なメロドラマ的つくりにみえたりもするのだけど、1950年代って戦争で幼い時に頼るべき人を亡くした人も随分多かっただろうし安易ではなく割合多くの方の共感を得られるごく当たり前のリアルだったのかもしれないなとも思ったり。難しいことを考えるような映画ではないが、終盤に出てくる新しいアパートのルール「自分の子ども以外を住ませるのはNG」なんて話をきいてるとつまりその時代の真実を現しているようにも思えた。(こちらは1950年製作)
しかしながら日本初のハワイロケなどもこの映画では行われていて、かなり物質的には豊かになりつつある?という感じも。
美空ひばりの唄が多数披露されるが「トンコ節」が特に好きだった。
*2:最近観たのでは「泣きぬれた人形」1951