虎の尾を踏む男達

前の晩の夜に「ラジオ深夜便」でエノケンさんの唄がかかっていたのをきいて、ものすごくおもしろく、新鮮で、評判はきいているけれど実像はあまり知らないエノケンさんのことをもっと知りたくなった。ちょうど読み返していた「VIDEOまっしぐら」の中で中野翠さんがこの映画を紹介しておられるんだけど、そこに書かれていたエノケンさんのイラストがとってもキュートで、これは、録画したままになっていたこの映画をみるしかない、と勇んでみてみた。録画したままになっていたのは、放映時ちらっとみた場面がお能っぽくって(実際能の「安宅」というのと歌舞伎の「勧進帳」をベースに黒澤明監督がつくったものらしい)とっつきにくいかと思っていたのだけど、義経一行が平泉に逃れる途中、弁慶が機転をきかせて。。というアウトラインを頭にいれて最初からみたらついていけたし、笑えた。とにかくエノケンさんの愉快なこと。大河内傳次郎の重厚な演技とうまく緩急がついて、清冽で心にすっとはいってくる映画になっている。拍子木にあわせての動きとか本当に日本の美という感じでうっとりする。

またまた余談ながら「勧進帳」を題材にしたものということで、三谷幸喜氏のわたしは大好きなドラマ「合い言葉は勇気」のことも思い出した。あのドラマの中ででてきた富樫っていう名前、裁判の場面など。それと「王様のレストラン」の、鎌倉武士をもとにした従業員の名前など。とてもなつかしく、古典をああしてかみくだいてくれる三谷氏の作品がまたみたくなった。

虎の尾を踏む男達<普及版> [DVD]

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VIDEOまっしぐら

VIDEOまっしぐら

合い言葉は勇気 完全版(1) [VHS]

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