日曜日は別れの時

twitterでdvd化を待っている方の書き込みを読んで借りてみた。

ビデオジャケットより

40歳になるユダヤ人の開業医、ダニエルは若い芸術家ボブと同性愛の生活を送っている。が、ボブには年上の女性アレックスという恋人もいた。アレックスもダニエルもお互いにその存在を知りながら、ボブに問い詰めることもない。表面的には穏やかな時間が流れる中で、互いの感情は複雑だった。誰もがこの関係に不安を抱きながら、しかし3人ともすべてを失うことを恐れているのだった……。

アレックスを演じたグレンダ・ジャクソンの知的な表情がとてもいい。知的ゆえに陥る境遇も描かれていて、静かだけどじんわりしみて、納得のいく映画。グレンダ・ジャクソンの名前で検索すると、元女優で今政治家と出てくるけれど、そうなのかな・・確かに意思はとても強い顔立ちだけど・・*1
ユダヤ社会の中でのダニエルの宙ぶらりんもデリケートな描き方で心に触れる。ダニエルを演じたピーター・フィンチもこの作品で英国アカデミー賞を受賞している。

アレックスがボブと一緒に友人宅でベビーシッターをするのだけど、その描写も細やかだ。そして、そこで起きる事柄から思い起こさせられる出会いと別れ。このアルバイトをする家庭やそれぞれの実家でのエピソードをはさむことで、ただの恋愛ものではない大人の孤独を味わわせる作品になっている。

ダニエル・ディ・ルイスが子役で出ているということで、英国映画の参考にさせてもらっている「英国党宣言」のこの映画のコーナーを拝見するとエキストラで参加、デビュー作らしい。
子どもがマリファナ吸ったり70年代っぽい中にもこどもと出かける時はバックにクラシックな音楽がかかったりして落ち着くなと思っていたが、音楽についても「英国党宣言」に載っていた。歌劇『コジ・ファン・トウッテ』より三重奏。これがあの散歩のシーンの音楽なのかな?

日曜日は別れの時 [VHS]

日曜日は別れの時 [VHS]

  • 発売日: 1989/12/22
  • メディア: VHS

*1:あとの行で紹介する「英国党宣言」の彼女のコーナーに政治家転身の話が載っていた。