結婚 女たちの夜明け、恋の旅路

 ローレンス・オリヴィエが関係している二本の映画を観た。(両方TVムービーと思われるけれど「恋の旅路」のみall cinemaにTVムービーと記載されている。) 

 

 

 
結婚 女たちの夜明け [VHS]

結婚 女たちの夜明け [VHS]

  • 発売日: 1989/08/04
  • メディア: VHS
 

 

「結婚〜女たちの夜明け」は ローレンス・オリヴィエ製作・監督。1912年の最優秀演劇賞をとった戯曲とのこと。

舞台はイギリスの繊維工業地帯ランカシャー。織物会社の職工の男の娘が、遊びでつきあった相手が父の友人である織物会社の社長の息子。その場限りの関係のはずが、とんだ事故の余波で、両親の知るところとなる。もともと社長の息子は、財産家で有力者の娘と婚約しており・・本音、建て前、友情、欲望・・さまざまなものがうずまき、相手の出方によって微妙に話をシフトチェンジさせたり・・のやりとりが舞台劇っぽい面白さ。演技のしっかりしているところ、「ダウントン・アビー」をみてるみたいな、階級を含む、また階級を超えた人間の多面性の表現が、秀逸で、すごい拾いもの。ふや町映画タウンの☆(ちょっと、おすすめ)作品。

職工たちの慰安旅行先として名前の出てくるのがブラックプールという地名。「Shall we ダンス?」で名前出てきていたなあ。

 

filmarks.com

「恋の旅路」は、ローレンス・オリヴィエキャサリン・ヘップバーンのやりとりがおもしろい法廷もの。ローレンス・オリヴィエ扮する弁護士の若き日の忘れられない相手がキャサリン・ヘップバーン扮する元女優、今は富豪の未亡人。オリヴィエはヘップバーンのことが忘れられないのに、ヘップバーンは過去の思い出なんか思い当たるところなし、という感じでオリヴィエに自分が若い男との間に起きたトラブル、訴訟の依頼をしてくる。。ヘップバーンの依頼を受けてのオリヴィエの舞い上がり振り回されている演技、男性はロマンチストだけど女性は現実主義っていう雰囲気がとてもおもしろい。若いやり手弁護士との法廷外での言葉の応酬なども軽妙でコミカル。

ヘップバーンは、苦労のあげく、名士の妻になった人で、今手に入れた名誉をとても大切にする人の役。法廷作戦でかわいそうな老婆風にしろ、とオリヴィエに指示されても勝手なことをしている。「マイ・フェア・レディ」みたいな衣裳が笑えるが、痛々しくないのがお人柄!そして、要求通りの老婆風の演技(こんなことできるかよ、って感じで演じてみせる)部分もとても笑えた。

裁判ってこんなん?って思いながらみたけれど、陪審員が判断するから陪審員の心にどう訴えるか、ということが重要ということで、なるほど、と自分は納得し楽しみながらみた。

監督はジョージ・キューカー。(だから「マイ・フェア・レディ」的な衣装だったか!)「フィラデルフィア物語」など、じゃじゃ馬な感じのキャサリン・ヘップバーンを撮るのもうまいんだなと思う。