招かれざる客

「花嫁の父」をちらっとテレビで見て、タイトルからなんとなく湿っぽいものを予想してたら、ペーソスはもちろんあるもののはじめはのり気じゃなかったのに結局式の段取りのために一人張り切ってばかばかしい気分・・みたいな父親役のスペンサー・トレシーの姿が共感できておもしろいなと思った。で、その感想をふや町映画タウンで話していたら、この映画をすすめられた。
普段リベラルで通しているのに、いざ娘が結婚相手として黒人男性を連れてきたらおろおろしてしまう白人の新聞社社長という役のスペンサー・トレイシーの演技がもうリアリティがあって、楽しめる。キャサリン・ヘップバーン演じる妻の、こどもと夫の板挟み、みたいなのも、キャサリン・ヘップバーンがこういう役をするのとき、ほんとに説得力あるというか、見るものの共感を得る演技で素晴らしかった。
23歳の娘がいきなり。。という自分の家庭環境と重なる設定でもあり、この作品、若いころにみたら、普段は立派なこといってるのになんて頑固な父親、などととらえかねないのだけど、今では完全に急に可愛い娘が勝手にいろんなことを決めてどこかにいってしまう、茫然自失の親の気持ちがわかって、終始惹きつけられた。
若さゆえの勢いがかわいらしかった娘さん役のキャサリン・ホートンという人はキャサリン・ヘップバーンの姪だったらしい。アイロンをかけながらの二人の語らいとかほんとに自然でよかった。彼女のとびきりの明るさがまたこのお話の牽引力にもなっている。
テーマ的にもデリケートなものを上手に表現していると思うし、それをシリアスでなく愉快なエピソードの積み重ねで描いていくのがとてもいい。笑いつつ共感みたいなよい按配。
「招かれざる客」というタイトルはこの映画の雰囲気より深刻そうに思える。原題の「Guess Who's Coming to Dinner」がちょうどこの映画のテイストだ。全編に流れるロマンティックな感じの音楽(Jacqueline Fontaine 「The Glory of Love」)もとてもいい。

招かれざる客 [DVD]

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  • 発売日: 2011/01/26
  • メディア: DVD