マイク・リー監督の出世作とのこと。イギリス映画らしい抑制がきいた感じがとてもいい。友人が同監督の「秘密と嘘」をみて、自分の人生の転機を得たといっていたが、わたしもこの作品をみて人生の対処に対するヒントをもらった。いつまでも子どもが欲しくない男とそのパートナー。男は老母のことも忘れないあたたかい心の持ち主だけど理想主義かつペシミスティックな理論武装で世の中に対して閉じてもいる。そしてやはりあきらめきり心を閉ざした感じの彼の母親。庇護しなければいけない存在のように登場し、しかしじっくりと彼女の内面に寄り添っていくような映し方、そこからの薄明かりのようなものが素晴らしい。自分の理想とのはざまで社会に押しつぶされそうになっている男は、先日みた、1991年のマイク・リー監督の「ライフ・イズ・スウィート」*1にも相通じるものがあるなあ。
☆5/5カール・マルクスの誕生日に、この映画で確かマルクスのお墓参りのシーンがあったなあと思い出した。確かめるために検索したら、最近どこに行ってしまったか探していたイギリス映画について詳しく書いてあるサイトにまた出会った。とてもうれしい。この映画の項はこちら。映画のトップページはこちら。
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