ロケーション

ロケーション [VHS]

 ピンク映画の現場が舞台。森崎東監督の私の印象は脈拍数が高いひと。展開が早い。疾走している。「ペコロスの母に会いに行く」*1くらいになると、走りつけない自分にもついていけるのだが・・あと厚顔無恥とは真逆の照れ屋気質を持ちながら実はしっかりと小さき立場に寄り添っているようなものを感じる。

カメラマンの西田敏行が主人公だが、柄本明が西田敏行みたいにとりあえず駆け出すことができず、いろいろ思い悩むシナリオライターの役でこれがなかなか良かった。あと、竹中直人のインテリ助監督ぷりも加藤武の監督との対比が際立ち面白い。美保純が現場の事情で主役をつとめることになるわけあり風の気配も漂わせた根無し草（といってもアンニュイさはあまりなく、流れ流れてそこでうっすらした根をはるようなタイプ）の存在感をうまく出している。福島の実家に立ち寄る空気もぴったりあっている。

*1:ペコロスの母に会いに行く - 日常整理日誌