賢女気質

京都府立芸術会館にて人間座公演 

去年の12月に公演予定だったのだが出演者に健康不良が相次ぎ前日だか当日だか本当にぎりぎりに涙をのんで公演中止になったものの振替公演


f:id:ponyman:20240210193115j:image12月公演時チラシ

傘寿を迎えられる菱井喜美子さんがほぼ出ずっぱりの公演。観客席からの声援の拍手が気持ちよく、劇場に足を運ぶ良さはこれだなと思う。

自分は同じ原作で中平康監督によって「才女気質」というタイトルで映画化されたものを観たことがある。イノダコーヒが出てきたり京都の風景を楽しんだが、とにかく映画では轟夕起子が演じたこの女主人公がなかなか強烈でそれをからかう姑が清涼剤になっていた。

今回の舞台でもやっぱり女主人公はすごい勝ち気な仕切り屋。それにやっと対抗できるのは飛鳥井かゞりさんという女優さん演じる姑。映画ではもう何事にもお構いなしの婆さんという感じの役なのを洒脱に飛鳥井さんの個性にあわせた役にしてあり感心した。演出は下鴨社窓というところの田辺剛という方らしい。飛鳥井さん、着物の着こなしも洒落ていて粋。猫会議という劇団を主宰されている方らしい。

映画で大坂志郎が演じていた主人公の夫役。12月の公演では多賀勝一さんという私が高校生の時から注目してきたくるみ座出身のベテランが演じることになっていたのだが、今回、かなりお若い藤原大介さんという方にバトンタッチ。女主人公を演じる菱井さんとは実際には大変年の差かあったと思うのだけどとてもナチュラル。今回はこの人が清涼剤となった。(もともとはそれが主眼のはなしだと思う)劇団飛び道具というところの人らしい。

毛利菊枝さんの作られたくるみ座からの流れをつぐ人も創立者はじめ何人かいらして古い歴史を持つ人間座、自分も下鴨のスタジオで公演を観てきたが、ある時急に京都市から一般客向けの公演はできないエリアと指摘されアトリエての公演をあきらめ現在は貸しスタジオ的な運営をされている。そこへ持ってきての昨年の公演中止。今回劇場で心配し心を寄せている人が大勢いるんだなと肌で感じた。

大勢の他劇団からの客演、またいつも劇団から配られるチラシに載っている劇団の創立者である田畑さんの名を冠した「田畑実戯曲賞」の募集など若い息吹を取り入れを育てようという心意気に感じ入る。

↓人間座ドキュメントYoutube

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