通し狂言 寿三升景清

南座にて。

もうなんていうかレビューの世界というか、終始その造形をわくわくして楽しめた。海老蔵さんがイアホンガイドのインタビューで、歌舞伎というのははじめははじめで見た目の美しさで入っていけるし、年数を経ればまたさらに深い楽しみができる、なんて話しておられたが本当にその通り。

windshipさんが夏に歌舞伎座で「夏祭浪花鑑」の三婦がよかったとおっしゃってた三団次さん、今日の公演でもキマっていた。海老蔵さんと二人で見栄を決めているところとかなんと楽しいことよと終始にこにこして拝見した。

派手な舞台装置、上妻宏光津軽三味線、客席を盛り上げる海老蔵の愛嬌。。何もかも楽しめた!海老蔵さんは踊りの表現力秀でているなあと、鍛冶屋の場で思った。

市川右之助さんという方とても品がよくてすてきだった。番付(と関西ではパンフレットのことをそう呼ぶのを今日はじめて知る。)によると成田屋一門のベテランとか・・片岡市蔵さんという方が亀蔵さんになんだか似ていると思ったら御兄弟らしい・・市川道行というひと(どうやら少し前まで坂東薪車と名乗っておられたらしい)と坂東亀三郎というひとの声がなかなか良かった。

イアホンガイドの解説も大変おもしろい。最近三味線の調子に興味があるのだけど、それの説明もあったし、阿古屋の道中の時の奇妙な竹田奴の解説などきいていてよかった。

歌舞伎美人に載っていた紹介

南座内部の彫刻なども楽しい

入るとすぐにあった大きな海老の幕。お父さんの故團十郎さんが描かれたものをもとにしてあるとか。お父さんからの継承というものをとても感じさせる公演だった。