神明恵和合取組「め組の喧嘩」

先日wowowで再放送していて最後の方のお楽しみの部分をみて、なかなかよかったもので、以前録画していたのをはじめから観る。ラストの仕込みのところを知っていたにもかかわらず、その瞬間涙が出た。前に平成中村座の夏祭浪花鑑のNY公演*1を観た時も、ラストのところでものすごく感動し、テレビの前なのにスタンディングオベーションをしたくなるような気持ちになったけれど今回も。
筋自体は、江戸の鳶と相撲取りの喧嘩という感じで、関西でぼんやり生活しているものにとっては異世界というか、なんでそんなことでおおごとに・・みたいな部分もあるのだけれど、番組の最後に勘三郎さんがインタビューにこたえて、相撲取りは武士に優遇されていて普段からの鬱積があったんでしょうね、とおっしゃっていたのをきいて、スパイク・リーの「Do The Right Thing」*2みたいな話なんだなと思った。
途中、この主人公は立ち上がらないのかい、とみなが詰め寄るところは、「忠臣蔵」や「総長賭博」*3に似たものを感じた。日本人の好むエネルギーをためる感じ?
勘三郎さんの座敷にあがるときにぽんぽんと足を払うそぶりなどがいかにも江戸っ子っぽい粋を感じた。
大勢の衆とわいわいいってるときも、勘九郎さんは、なんかぽんとつきぬけているな。さすが。若さゆえの身のこなしも気持ち良かった。
世話物歌舞伎ってみやすいけれど、つくづく思ったのは浄瑠璃と三味線の部分があるからこそいいのだなと。わかりやすくなりすぎてしまうとベタになってしまうもんな。

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