1950年前後のクラシックハリウッド映画を二本鑑賞。
一本目は1950年の「拳銃王」。ふや町映画タウンのおすすめ☆☆(けっこうおすすめ!!)
先日NHKBSで放映。以前観たことのあるやはりふや町のおすすめ印の「拳銃魔」*1と混同していが、「拳銃魔」の方は「Gun Crazy」、「拳銃王」の方は「Gun Fighter」。「拳銃魔」の方はガンマニアの元々はおとなしい主人公が巻き込まれみたいな感じで逃避行する話だったが、「拳銃王」の方は、渋くて深い大人の西部劇。グレゴリー・ペックがリンゴ・キッドというガンマンをモデルにしたおたずね者の役を演じているが、拳銃王なんていわれ命のやりとりをする人生ロクなものじゃないという苦みがあり、撃ち合いなんて興味のない自分にも十分楽しめる人間ドラマだった。リンゴ・キッド(ジョニー・リンゴ)というのはwikipediaによると、「駅馬車」*2でジョン・ウェインが演じた人物であり、「OK牧場の決斗」などにも出てくるらしい。
グレゴリー・ペックがGun Fighterというのも珍しい気がしたが、これまたwikipediaによるとイメージと真逆の役への挑戦だったとか。彼とは昔の仲間という設定のマーク保安官という人物が私にはいぶし銀でかっこよく見えたが、ミラード・ミッチェルという俳優さんで、「雨に唄えば」の社長役だったとか・・どんな感じだったかな?
もう一つは1948年「ママの想い出」。
アメリカのつつましくも、信念を持って生活をしている家庭の物語。「信念を持ってそれを表明する」「大事なものを見極める」、「拳銃王」でもだったけれど「わが谷は緑なりき」*3や「必死の逃亡者」*4「招かれざる客」*5などでもそれを感じたし、こういうことがクラシックなアメリカ映画ではしばしばきちんと描かれて事なかれ主義者の自分は感心する。*6 この映画ではお金に替えられない豊かな時間の価値というのを決然とママが態度で表現するところが心に残る。
そして、ネコ派の私にはたまらないネコのエピソードやしゃれた演出も。
みんないい人、なんて設定でなく、姉妹のやっかみとか黒い感情も描かれていて現実的で面白い。
*6:「招かれざる客」は67年と時代が後だが、オールドハリウッドの流れを持った映画と感じている。