七人樂隊

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昨秋、香港映画の面白さに目覚め、ちょっとまとめて観るようになったのだが、そのもともとのおこりはジョニー・トー監督の「ザ・ミッション」*1や「暗戦」*2のシャープさ面白さに出会ったこと。彼が中心になって香港の七人の映画人が往年の香港を思いながら競作したこの作品が近所のミニシアターにやってきたので観に行った。

ジョニー・トーの「ぼろ儲け」は、投資で一儲けしようかなという男女三人のランチタイムの会話が時系列に並べられているのだけど、登場人物がぎらぎらしていなくなんともいえないおかしみや教訓がありシャープなんだけど温かいあの作風やっぱり良いなあとなった。

カンフーアクション系監督で好きになったユエン・ウーピンの「回帰」もものすごい好み。カンフーの達人のおじいちゃんのところにイギリスに行く前に少し逗留する孫というちょっとみたことのあるようなストーリーでも私はこういうのが滅法好きで。先日から注目している中華圏の英雄ウォン・フェイホン*3もおじいちゃんの観ているテレビに(役の上で)出てきた。ユエン監督の作品、アクションシーンのかっこよさあり面白みあり愛嬌愛情ありでとってもいい!

リンゴ・ラム監督の「道に迷う」は、主人公のおじさんの変わってしまった香港の風景に戸惑う姿や、ふと気がつけば、かけ離れた存在だった親と同じような年齢になり親が若い自分にいってたことが今ごろよくわかる、みたいな感慨などがもう自分と同じだーという思いに。

ツイ・ハーク監督の「深い会話」は不条理でよくわからない部分も大ありだったが、ジョニー・トーの映画でいい味だしてるラム・シュウが出ているのと、アン・ホイ監督がひょいと顔を出したりされているのは香港の監督たちが力をあわせて作ったものだなあという実感が迫ってとても嬉しい。アン・ホイ監督作品、90年代にいくつかみていたが今回の「校長先生」も彼女らしいものでそこも喜ばしかった。