香港映画数珠つなぎ

去年末からのにわか香港映画マイブーム。

ふや町映画タウン在庫で軒並みおすすめ印がついているジェフ・ラウ監督の二本「黒薔薇vs黒薔薇」(1992)と「フル・ブラッド」(1994)を鑑賞。*1

 

「黒薔薇〜」はほんと奇想天外。

黒薔薇VS黒薔薇 [DVD]

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  • レオン・カーフェイ
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松竹新喜劇か?と思うようなイラストのプロローグから始まって恋愛もの、ギャングもの、格闘、京劇?がごったまぜ。「バンパイア・コップ」*2の感想で最後は今までの事情放りだしみんな一緒にラスボスと闘うジェフ・ラウ監督作品の良さを書いておられる方がいらっしゃったが、「黒薔薇〜」もそういう要素あり。格闘シーンのキレの良さは気持ちがいい。怪盗黒薔薇というのが元ネタがあるものやらわからないけれど、ユエン・ウーピンが扱ってるみたいな言及も。覚えたての中華圏の英雄ウォン・フェイホン*3の名前も確か出てきた。自分の香港映画知ってるwordが増えていく喜び。ン・マンタ、チャウ・シンチーなどもセリフに混ざるの、歌舞伎で猿之助が中車を「顔の似ている従兄弟」なんて言葉をはさむのに似た楽しさ。

レオン・カーフェイ、男前ゆえの怪しさをふりまき、盛りを過ぎて変なことをやる、ではなく同時進行でバカバカしい役もシリアスな役もこなしそれがシリアス映画への悪影響にならない香港映画界のかっこよさを感じる。レオン・カーフェイは「ゴッド・ギャンブラー 完結編」*4でも極端でおもしろい役をしていたなあ。堅さからの巻き込まれみたいなのがよい感じ。

filmarksを読んでいると、怪盗黒薔薇を演じた人、香港のシャーリー・テンプルといわれた人だとか。自分はちょつとずつ香港映画の知識を積みましていく愉しみを味わっているところ。

もう一本、「フル・ブラッド」。

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これはふや町映画タウンのオススメ度が高い(☆☆)だけある逸品。ジャケットからは計り知れぬカワイさあり。はじまりはジャケットのまま、アメリカの007みたいなチョウ・ユンファだが、少林寺との絡ませ方がユニークでレジェンド級の人たち*5のカンフー対決が主人公置き去りにして行われたりもう面白い。かっての達人が今、という「網走番外地*6みたいなシチュエーション、私は好きで好きで。 ロマンチックで微笑ましいよきシーンもあり(香港映画のロマンス表現は恋愛もの苦手な自分にもいつもぐっとくるかわいらしさ!)定型的な写真で想像する作品じゃない。

國村準が大変贅沢な使い方をされている。

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國村さん結構香港映画にちょいちょい出てくるらしい。