「ゴット・ギャンブラー」 シリーズ

ふや町映画タウンの大森さんによると香港映画というのは、一つ当たったら同監督、別監督に関わらずどんどんいろんなパターンの続編が作られる世界であるらしい。「ゴッド・ギャンブラー」も枚挙にいとまないほどその名を冠した作品が多いようだ。

「ゴッド・ギャンブラー」(1989)「ゴッド・ギャンブラー完結編」(1994)が同じ監督、主演による一応正編、続編になっていて、

 

そのあと、同じバリー・ウオン監督で作られた前日譚「ゴッド・ギャンブラー 賭神伝説」(1996)がふや町映画タウンのおすすめになっていたもので、三作続けて鑑賞。

 

「ゴッド・ギャンブラー」と完結編は、チョウ・ユンファ主演。「賭神伝説」はゴッド・ギャンブラーが地位を築くまでの若き日の話で主人公はレオン・ライチョウ・ユンファはちらっとだけ出てくる。(それがなかなかよい感じだった。)

正編と続編の5年の間にチョウ・ユンファも太ってそれがネタにもなっている。続編は最初フランスが舞台になったり世界移動してみたり、船が出て来たりえらく豪華になっているけれど、ばかばかしいすれすれのギャグも健在で嬉しくなる。基本ハリウッド映画みたいにかっこよくなりすぎなく、作品内で自分でつっこみをいれるようなバランスが逆にかっこいい。

このシリーズを観ていると、ひとつの題材が当たったらどんどん派生作品を作るところ、意外過ぎるくらいの展開+笑わせ力+アクション+なんでもとりいれる、もらってくる*1ということで、江戸時代の歌舞伎っぽいなあと思う。

あと香港映画、片思いだったり成就されなかったりする恋愛話になんともいえないキュンとした気分になるものが多く「恋愛話がからむと退屈。。」と日ごろ思っている自分がなぜか本当に良い気持ちになることがしばしばなんだけど、その使い方、加減がよくわかってるってことかな。「ゴッド・ギャンブラー 完結編」でも、「賭神伝説」でもかわいいねえ、応援したくなるね、となった。「賭神伝説」でそんな存在だったアニタ・ユンは、「君さえいれば 金枝玉葉*2でも中性的なかわいらしさがあったなあ。

第一作目は「暗戦 デッドエンド」*3で大好きになったアンディ・ラウがチンピラ役で出てくる。軽妙できれが良い。さすが。そして、チャウ・シンチー映画によく登場するン・マンタが微妙な中年悪役として出てくる。

なんだかお若い。そして嬉しい。

「賭神伝説」は香港の街並みのさらっとした撮影、芝居芝居してない描写もさしはさまれ、終始「料理の鉄人」的な正編・完結編にくらべモダンを感じさせたりもした。

*1:数限りない引用があると思うのだが、「ゴッド・ギャンブラー」でのわざわざの「戦艦ポチョムキン」シーン(←未見なのに知ってる)とか盛りだくさんでがんばってるなあと・・

*2:君さえいれば 金枝玉葉 - 日常整理日誌

*3:暗戦 デッドエンド - 日常整理日誌