「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ/外伝~アイアンモンキー」、「タイガー・コネクション」

 

酔拳」でジャッキー・チェンがコミカルに演じたのは中国では有名な人物(黄飛鴻 ウォン・フェイホン)で「ワンス・アポン・ア・タイムイン・チャイナ(ワンチャイ)」シリーズではシリアスな造形の主人公になっているときき興味を持つ。ワンチャイシリーズ、正編から観なくても大丈夫とのことで、ふや町映画タウンのおすすめである外伝(1993 ユエン・ウーピン監督)を鑑賞。
外伝には少年時代のウォン・フェイホンが登場。
まじめな武闘家+漢方薬売りであるウォン・フェイホンの父と対比して民衆に人気があり奇想天外の動きをみせる義賊の鉄猿(アイアンモンキー)が配置してあり、抑揚があって楽しいし、アクションものに興味のなかった自分も楽しめる技の数々。ユーモアとアクションの絡ませ方も上手で本当に気持ちよく観られる。さすがふや町映画タウンおすすめ度☆☆☆(かなりおすすめ!!)。

 

気をよくしてさらに同監督の「タイガー・コネクション」(1990)を鑑賞。

意識していなかったのだが、監督だけでなく主演のドニー・イェンも共通。

ドニー・イェンがおっちょこちょいのところもあるような兄ちゃん風の元刑事役で、まじめな「アイアンモンキー」での姿(ウォン・フェイホンの父役)とかけ離れており、同一人物と気づくのに時間がかかった。ほんと香港の俳優は芸域広い。何でもやる。

ストーリーは、マネーロンダリング事件に巻き込まれるという話で登場人物も入り乱れ、観ている方は事件そのものをじっくり推理するというより、弁護士のオフィスでの恋愛話からあれよあれよと展開する話に身を任せその場その場を楽しむ感じ。

歌舞伎の「棒しばり」的な手の自由をなくしてのアクション。観るものを楽しませるためにかけるストレス。

一緒に事件に巻き込まれるロザムンド・クワンという女優さんが演じるのが注意散漫な弁護士で、でも心意気はいいやつ。注意散漫人間の自分には嬉しい。香港映画では女優がただ守られるだけの存在でない描き方が多いなと感じるが、これが大変心地良い。

香港映画のなんでもそこら辺にあるものを武器にして闘っていくところも、ふや町映画タウンの大森さんが指摘しておられたが、確かに魅力である。返還前に行った香港に漂っていた、何でもありでたくましく生き、結果オーライな空気を感じる。

途中闘いの現場になるダブルデッカーのバスには「夜のヒットスタジオ」の宣伝と下部にはフジサンケイグループのマーク。

こちらはふや町映画タウン☆(ちょっとおすすめ!)作品。