まず 第一作目
はじめ説明的なシーンがえらくコンパクトにまとめられスコセッシによるリメイク作「ディパーテッド」*1で筋を知っている（警察側とマフィア側それぞれのスパイ工作員）からすんなりわかったけど全く知らない方はどうなんだろ？とも思ったが、見てりゃわかるか。
出来は「ディパーテッド」よりずっといい。香港得意の笑いを大事な伏線にしてシリアスに生かし落差でこちらにインパクトとかも効いている。そしてロマンス！これがまた良い。香港映画での描き方って何故かとっても品が良く程をわきまえててキュンとするものが多い。
「ディパーテッド」は主人公二人が似てみえることがありわかりにくかった。自分が東洋人だからこう思うのか。。今回は大丈夫。
「ダブルフェイス」というこの映画の骨格をもらっている話を観たことがあり、トニー・レオンの役を西島秀俊が演じていたのだけど、今回トニー・レオンが西島氏にみえてみえて仕方なかった。なんだかカンジが似ている。そして彼には肩入れしたくなる空気がある。話の中でも損な役回りだし。
二作目
第一作目より前の時代、第一作目の時代に争っていたマフィアのボス サム（エリック・ツァン）と警察（アンソニー・ウォン）の元々のつながりを描いたもの。（この二人は三作通して出てる。）
「サーガ」というのか？「ゴッドファザーpart2」みたいなつくり。
マフィアと警察の関係は「望郷」*2のジャン・ギャバンと刑事みたいな部分も。決定的な線引はあるけれどちょこちょこと利用し合って。あ、田宮二郎の「犬」シリーズ*3とかもだし「県警対組織暴力」*4、「孤狼の血」*5などこの世界では常識か？
第一作目の主人公であった相手チームに潜入する二人の配役が第一作目と違っていて面食らう。アンディ・ラウもトニー・レオンも出てこない。が、香港映画では「ゴッド・ギャンブラー」*6の前日譚とかもだったしな。ハリウッドの「ゴッドファザー2」なんかだとマーロン・ブランドにそのまま若いとき演じさせるのはしんどそうと私でも思うけど。
そしてシリーズ第三作目
第一作目の後の話（現在）と第一作目の時代に描ききれなかったところなどが描かれ、第一作目で死んだ人間もその役で出てくる。
第一作目がとてもよくて、忘れられなくてシリーズ3作になったような気もしないでもない。
シリーズ中第一作目が結局とてもいい。二作目に比べたら三作目もいいけど、一作目の鮮烈な記憶、彼らをもっと観たい！って気持ちに応えて作られたものだよなとも思ってしまう。
三作目から登場したストーリーもラストまでみたらなかなかロマンチックでいいといえばいいのだけど観る方にしてみれば一作目だけで終わりであとは心のなかで余韻、勝手に想像してたのしむ、でもいいのかもしれない。
