望郷

フランスのクラシック映画、勝手に敷居を高くしていたのだけど見始めたら見づらいってこともない、なんかいいなと思い始めている。

本日は「望郷」を。

有名すぎて避けて通ってきたが、デュヴィヴィエ監督の「旅路の果て」*1、良かったなあという流れで。

自分の苦手な分野(ギャングの悲恋もの)だけどジャン・ギャバン演じるカスバの顔役ペペ・ル・モコと刑事の関係が面白い。

カスバというのはある種治外法権みたいになっている場所らしく、そのエリアにいる間はペペ・ル・モコの仲間も多く、彼を逮捕することができない。

いかにも地廻りの刑事のやり方はドブ板式というか、ペペ・ル・モコを逮捕するということを公言しつつもあるときは利益になることをやってのけペペ・ル・モコ側にかなり食い込んでいて、どこか、本庁の連中にもペペ・ル・モコ側にもほんとにやるのか、と思わすような気配を漂わせている。いつか逮捕するというのだからペペ・ル・モコの方も心してつきあっているし、見抜く目はすごいのだが。。

ペペ・ル・モコにとっての弱点は故郷のパリやパリを思わす人、つまり望郷ということなんだな。

ペペ・ル・モコ、女関係だけみてたら今の情婦の前で平気で興味のある女の話したりして驚くのだけど、「どん底*2ジャン・ギャバンが演じたのもそんな感じの男だったし、だからといってそこにそんなに嫌な感じがしないのはジャン・ギャバンの持つ魅力があるのかな。事実は事実、悪いけど次いきますよ、好きになっちゃったんだから、みたいな風。