香港出身の

香港映画の魅力に開眼、たくさん観たくなっている。香港出身の監督が外で撮った作品を続けて二本。

一本目「精霊道士 キョンシー・キッズ」。(1986)

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蛇拳」や「酔拳」が最高に楽しかったユエン・ウーピン監督が台湾で撮った作品。カンフーの師匠のもとで修行のため暮らしている子どもたちが、道士によって調伏されかかっている子キョンシーをいじめられている子どもと勘違いして匿うところから始まる騒動。子キョンシーの切なげな表情もすごく良く、あの独特の動きも愉快。子どもたちとのやりとりがとてもかわいい。師匠と年嵩の子どもの京劇出演シーンもあり、ジャッキー・チェンサモ・ハン・キンポーの京劇学校時代を描いた「七小福」*1なども思い出す。

退治すべき凶悪な大人キョンシーも登場し、闘いのシーンもすんなり抵抗なく収めてある。

80年代に日本でもえらく流行ったキョンシー、還暦前になって大喜びして観る日が来るとは想像していなかったな。

 

二本目、ジョン・ウー監督がハリウッドで撮った「ブロークン・アロー」(1996)。

テンポのいい純正アクションドラマ。「ブロークン・アロー」ってタイトル、アジア監督作品だけに「三本の矢」的なものが頭に浮かんだが、直接的には核兵器がらみのスラング。でも、所要人物ジョン・トラヴォルタの姿も掛けていると思う。トラヴォルタとクリスチャン・スレイター、対決している者同士の憎しみだけではない師弟対決風味が効いている。予備知識なしに観たもので展開、繰り出されるアイデアに驚きと感心。サマンサ・マシス演じる公園監視官の使い方もいい。軍の人間とは違うポジションからの闘い方。すごいアクション。観始めたら、最後まで引っ張っていかれる。最後、ハリウッド映画映画した定番の盛り上げで締めくくられたらイヤだなと思いながら観ていたがぎりぎりのところで自分の許容範囲におさまっており、ほっ。

二作品ともふや町映画タウンのおすすめ作品。「精霊道士」は☆。「ブロークン・アロー」は☆☆。わたしの偏愛的な気持ちは「精霊道士」に軍配をあげそうになっている。