わが谷は緑なりき

 

わが谷は緑なりき [DVD]

わが谷は緑なりき [DVD]

 

 評判だけはきいていて*1、いつかみようと思っていた作品。骨太だけど重苦しくなく人を惹きつける力があり、ウェールズの炭鉱の家族と寄り添う大河もの。といっても、テンポよく長すぎない。

この映画の中には得か損かで割り切って考えてしまったら損の方になってしまうような選択、そして逆風の中でどう生きていきたいかという監督の理想がいくつか描かれているが、そのことが現代に生きる自分にきっちり伝わって励ましたり叱咤したりしてくれる。(説教臭くは決してなく、主人公の父の姿は一本の大木の生き方をみているよう。)労働争議、恋愛、いじめ、裏に回っての誹謗中傷そこからの集団心理・・それらのことが、うまいアクセントになって映画を展開させるしユーモアをまじえてちょうどいい按配でみているものを考えさせる。

お金は使うべき場所で使うためにある、というような主人公の父の言葉、はっとさせられた。

舞台のウェールズについては、映画「ウェールズの山」のみで馴染んでいた地名。もっと深く知りたいな。