影武者

 

影武者

影武者

  • 発売日: 2015/04/22
  • メディア: Prime Video
 

勝新の降板劇で勝手にケチがついたように思い込んでしまい今まで観る機会を逸していたけれど、ふや町映画タウンのオススメにも入っていてさっさと観なければと思い立ちの鑑賞。

壮大な映画という印象ばかりが念頭にあったけれど、人間ドラマの部分が面白く、なじみやすくも、さすがの気持ちをそらさないきちっとした画面づくり、能の要素も取り入れ、話の骨格にはエディプスコンプレックスも据え、神話的な愉しさ。偉大すぎる父を持ち、また武田家内での扱いから屈託してしまう武田勝頼を演じる萩原健一がもうぴったり。素晴らしい。滋味豊かな作品を観た喜び。

大滝秀治さんが武田の重臣だが、勇ましくもかっこいいこと。馬上の姿もあったが、吹き替えなしだろうか。。だとしたら凄い。とにかく堂々とした武将ぶり。水のcmや、テレビドラマホンカンシリーズのイメージが強かっただけに驚いた。物語最後の方の「風」「林」「火」の幟を掲げた重臣たちの刀をまじえての挨拶の素晴らしいこと。(大滝さんは「火」の幟。)ぞくっとした。

織田信長役の隆大介さんもすごく雰囲気がある。この演技でブルーリボン賞の新人賞を受賞しているようだ。

いやほんとに堪能した。勝新を惜しむ声ばかりきいてなにか妥協の産物なのかと思い込んで間違っていた。父にその話をしていたら、勝新だったら逆にクサかったかも、といわれ、そうかも。。とも思った。勝新が全面に出て、仲代版をみたときの神話のような感じが薄まったかもしれない。