水上勉原作作品。滋賀県の余呉湖には羽衣伝説があるという。無垢なるものへの人間の希求と、はかなさといったものもベースになりつつ、三味線の糸の産地が結ぶ京都との縁など興味深いストーリーであった。三味線の師匠を演じたのは先代の中村鴈治郎。なにもしてなくてもはじめから疑いの目で見続けてしまった。*1本来はあぶないバランスの上にたっている存在だと思うのだが。。
この作品、原作は読んでないがなんとなく文章だけのほうがイメージがふくらんで、神話的な世界にどっぷりつかれそうな気もした。
その村の環境、糸の製造に関する説明はとても丁寧でよかった。
あと、優しい親方を演じた千秋実氏はしみじみよかった。最近、千秋氏の良さがぐーんと自分の中で意識されている。