湖の琴

水上勉原作作品。滋賀県余呉湖には羽衣伝説があるという。無垢なるものへの人間の希求と、はかなさといったものもベースになりつつ、三味線の糸の産地が結ぶ京都との縁など興味深いストーリーであった。三味線の師匠を演じたのは先代の中村鴈治郎。なにもしてなくてもはじめから疑いの目で見続けてしまった。*1本来はあぶないバランスの上にたっている存在だと思うのだが。。

この作品、原作は読んでないがなんとなく文章だけのほうがイメージがふくらんで、神話的な世界にどっぷりつかれそうな気もした。

その村の環境、糸の製造に関する説明はとても丁寧でよかった。

あと、優しい親方を演じた千秋実氏はしみじみよかった。最近、千秋氏の良さがぐーんと自分の中で意識されている。

湖の琴 [VHS]

湖の琴 [VHS]

 

 

*1:鴈治郎さん、勝手に「雁の寺」でも好色坊主を演じたと思い込んでいたけど、「雁の寺」ではあの坊主は三島雅夫という方が演じていたらしい。先日、ふや町映画タウンでそのはなしが出て驚愕。イメージによる思い込みの強さを痛感。