夏休み文楽特別公演

先週の日曜、大阪国立文楽劇場へ。今回は三部。一階ロビーの芝居絵が私は大好きで写真を撮ったもののずいぶんボケている(~_~;)。パンフレットをみると長谷川貞信さんの名前が。ちょっと調べると、関西大学の長谷川貞信のコレクションのページがヒットし、そこによると長谷川貞信というのは上方の浮世絵師の名前で今第五代目らしい。
第一部は親子劇場「金太郎の大ぐも退治」と「ぶんらくってなあに」「瓜子姫とあまんじゃく」

一部はこどもたちむけにちゃんと話の解説もあるし、だしものもほんとわかりやすくおもしろい。「お人形をつかってみますか?」の声にこどもたちが積極的にどんどん手を挙げていくのが本当にかわいらしく嬉しい気持ちに。
金太郎は、ワイヤーワークありの派手な演出。
あまんじゃくは木下順二の脚本の言葉づかいのおもしろさ、あまんじゃく人形(写真左下)のかわいらしさ、おかしさに魅せられる。

第二部は妹背山婦女庭訓
これは、橋本治さんの絵本*1で読んだ時も芝居絵の赤と水色の着物、お三輪さんがかわいそうで・・かわいそうなお三輪さんを男前の桐竹勘十郎さんがつかっていて、なんだかそこは救われる思いがした。なんか大義のためなら犠牲もいとわぬお話なんだけど、ところどころ笑えるセリフがまざっている、この文楽特有のバランスっておもしろいな。

第三部は夏祭浪花鑑
これは、ちょっと前に故・勘三郎さんのNY公演放映*2をみていてパラレル的に脳内再生しながら楽しめる。三婦のお人形さんの耳の数珠とか、しょっぱな「団七〜」と呼ばわる声とか、団七と徳兵衛の高札をふりまわしてのせりあいとか、決まるべきものが決まっている楽しさっていうのも味わう。伝統芸能ってそういう要素大きいな。お囃子がなんともかっこいいし、なるほど浪花鑑っていうのは、鑑になるような、ここぞっていうところでがんばるところをがんばる態度のことをいってるのね、とイアホンガイドで知る。NYの平成中村座は団七と舅の泥まみれの死闘がものすごかったけれど、アクション主体でない型を活かした今回の文楽の演出もよいと思った。