残菊物語(1963)

「残菊物語」というと溝口健二版の評価が高いけれど、実は溝口版をみた時、まだ歌舞伎とか自分がみていない時分で味わい方も中途半端だったように思う。今回多少は歌舞伎をみるようになった目でみるととてもおもしろかった。
猿之助(現猿翁)が、尾上菊之助の役で、最初ダメな芸だったのが、苦労して向上する役だけどその違いがわかる演じ方でおもしろい。
津川雅彦が友人中村福助の役なんだが、津川氏の顔がなかなか歌舞伎役者っぽくサマになっていた。
大泉滉演じる旅芸人のなんだか女性的な感じ、左卜全演じる木賃宿の老爺、二人とも場面をさらっている。大泉さんは、同じ大庭監督の「京化粧」*1の呉服屋も目をひいていたなあ。

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