国訛道中笠

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昭和12年嵐寛寿郎プロダクション作品。

国定忠治の物語。「赤城の山も今宵限り」というセリフだけは知っていたが、トータルのストーリーは知らないもので、山根貞男さんの解説には「お馴染みのドラマ」と記されている冒頭の板割の浅太郎が叔父の首をかかえて赤城山へ戻ってくる挿話など、推測で観る感じだったが、ちょうど歌舞伎や文楽で一幕だけ観るような感じになり、それなりの楽しみ方だった。ここは、一度前段の部分も観てみたい。赤城山を下りるシーンはあったが、件の台詞は出てこなかった。

そのあと、山形屋の場というのがクライマックスシーン。これはきちんと描かれていて楽しめた。山形屋というアコギな商家にえらい目に遭わされるのがアラカンさんの従妹でもあった森光子氏。とても可憐。

 

山形屋というところで、国定忠治の凄みをきかせた交渉術が始まるのだが、お互いキセルをふかしながら、静かなる闘争をするところが面白い。

また途中町のうわさ話のような形で、国定忠次より怖い。にっこり笑って人を斬る」というような決め台詞が出てくるのなど、いかにもポピュラーな題材を観ているという楽しさがあった。