夜の素顔

「夜の河」「夜の蝶」に続く吉村公三郎「夜」シリーズ第3作目とのこと。「夜の河」は京都の染めに携わる女性が主人公、イノダコーヒなども登場、「夜の蝶」は京都のバーのマダムおそめさんがモデルの物語であり、今回も日本舞踊の世界とのことで京都が関係するかと思いきや、京都と関係する描写はほとんどない。京マチ子演じる主人公が昔は祇園でも舞っていたという零落した女性に会うくだり、あとは浪花千栄子京マチ子の関西弁のまくし立て合い(←大変見事!)、その中に出てくる「釜ヶ崎」などの単語に関西を感じる、それくらいが関西要素であった。

こんな↓風景が出てくるけど、この雪印看板は銀座?

バンダイが作った昭和30年代銀座ジオラマの風景とも似ている。(こちら参照)

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京マチ子演じる女性舞踊家が野心家で、はじめはいわゆる日舞を教えているのだが途中、儲かるからと民謡に転身。地方まわりをするのだけど、わたしにはジャンルを飛び越えているように見えたりもしたが、そういうことがナチュラルに感じられる時代もあったのかな?最終的には現代音楽とのコラボを大きな劇場にかけてのチャレンジなどあり、そこの部分は戦後そういう流れもあっただろうなと感じられた。

京マチ子の結婚相手が、京マチ子をプロデュースとかいいながらその実体は不誠実なヒモという描写もあるのだけど、才能のある女性をプロデュースという立場の男性、最近のドラマでもそれじゃヒモみたいとなって振られる展開があり、ほんとはそんなことばかりでもないだろうにそうみなされてしまう風潮ってあるのか?などとも思った。プロデューサーという立場自体がそうみられることもあるという感じかな?

地方まわりの中で阿波踊りとともに出てきたこの映像に惹かれた。阿波人形浄瑠璃

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