花は偽らず

拾い物だった「京化粧」*1から大庭秀雄監督の映画を最近ちょこちょこ見ている。これまたなんとも切なくて、でもつらい感じはなくてとても好きになった。大庭秀雄監督は「君の名は」が有名なのだけど、そちらは今だ後回しにしてしまっていてだいたいのストーリーしか知らないけれど、この映画もタイミングの描き方が絶妙。
なんといっても灘の醸造家の一人娘を演じている高峰三枝子の、気品があるのだけど、さばっとして優しい、愛嬌のあるお嬢さんっぷりが素晴らしい。高峰さん、役によっては威厳が先にきてしまっていかつい、みたいな要素が出ていることがあるが、そんなところひとつもなくて、なんて健気な・・と肩入れしてしまう。母親としゃべっている時の笑顔のかわいらしかったこと!
高峰さんのお嬢さんにとっては恋愛上利害関係が生じてしまうような登場人物たちも、それぞれに慎み深く納得がいき、68分という短い時間で登場人物たちの世界にぐっと入り込めた。
大好きな斎藤達雄氏も、山で一発当てようと夢中になっている、らしい役で登場。

花は偽らず [VHS]

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