捕われた心

佳作の多いワイントローブ・ブリティッシュ・ライブラリーのシリーズの一本。バジル・ディアデンという監督もこの映画の事もまるで知らず、このシリーズのものであるからという理由で借りてみたが裏切られなかった。冒頭の「イーリング・スタジオ」の文字に英国紳士が目くばせしているようなイーリングタッチの映画*1を思い出しもううれしくなる。
ドイツ軍のイギリス人捕虜収容所に収容されている人々の群像劇。本国でそれぞれの人生を送って来た人たちがその生活の延長を生きているという風に描かれているのが魅力的。ひとりの英雄を描いたりする話でなく、小さな気持ちの集まりが・・という筋立てにとても好感を持つ。ほどよいユーモアも随所に盛り込まれ観た後小さな灯が心にともるような作品。

捕われた心 [VHS]

捕われた心 [VHS]

*1:こちらによるとイーリング・コメディやイーリング調のイギリス喜劇として「マダムと泥棒」や「謎の要人悠々逃亡」が挙げられている。またこちらも参考になる。