「生理のおじさんとその娘」など

TV

2月の末のことだけど、京都新聞に酒井順子さんの「異次元の少子化対策」への意見が載っていた。全国に配信されている記事だったらしく静岡新聞社が全文公開しているのでリンクを貼る。 www.at-s.com 本当に酒井さんのおっしゃる通り。ずいぶん前になるが「フ…

F・W・ムルナウ

twitterでお年寄り映画のオススメとして「最後の人」が挙げられていて 最後の人 [DVD] エミール・ヤニングス Amazon お年寄り映画に目のない私、twitterに投稿されたおすすめをみて、観てみることにした。 すっと重々しい映画だと思い込んでいたのだけど、す…

実録忠臣蔵(1928)

「下鴨映画祭」*1で池田富保監督の「忠臣蔵」(1926)を弁士掛け合いで観て戦前の「忠臣蔵」も難解ではないなという感触を持ち、牧野省三監督のこちらの映画も観てみた。 よく拝見している忠臣蔵のファンサイト「くすや」での紹介↓ kusuya.net マツダ映…

ケイコ目を澄ませて

happinet-phantom.com 前から評判はきいていたこの作品、もうすぐアマプラに入るらしいが、「音が大切なので、劇場の方が良いと思ってしまう。」というtweetを拝見し、あわてて劇場公開を探したら近くの出町座でロングラン上映中。バリアフリー日本語字幕付…

雪之丞変化

先日の下賀茂映画祭*1、早稲田大学演劇博物館副館長の児玉氏の話に長谷川一夫が二度演じた「雪之丞変化」はリトマス紙というお話があり63年の市川崑版を許容する人は歌舞伎に慣れている方(歌舞伎は太った俳優の女形などしょっちゅうだからぽっちゃりしたお…

トリとロキタ

bitters.co.jp 少し前に「イゴールの約束」*1を皮切りに遅ればせに好きになって、いくつか旧作*2を拝見しているダルデンヌ兄弟。新作が来たらぜひ劇場に行こうと思っていたが、厳しい内容という前評判をきき、行くのが遅くなってしまった。しかし、観はじめ…

下鴨映画祭

「下鴨映画祭」というものが今年の3月に開催され、4/23までその様子が公開されている。日本映画の黎明期を偲ぶ集まりだ。 尾上松之助資料保存会の松野吉孝代表が中心になって事業が進められたそうだが、専門家の解説あり、活弁士と生演奏つきの上映ありで大…

雨情

「夫婦善哉」や「猫と庄三と二人のをんな」など森繁久彌によるダメ男系の作品がヒットした余波ということもあるのだろうが、一応創作と謳ってはいるものの野口雨情の伝記映画のような体裁なのに、もうとことん森繁演じる主人公の野口雨情が情けなく描かれて…

痴人の愛 (人間の絆)

痴人の愛(字幕版) レスリー・ハワード Amazon 今回観たのは谷崎じゃない方の「痴人の愛」。 先日からのベティ・デイビスブームの一環として鑑賞。ふや町映画タウンおすすめ作品(☆☆)。 モームの「人間の絆」が原作でファム・ファタールものだけど谷崎作品…

黒蘭の女

黒蘭の女(字幕版) ベティ・デイヴィス Amazon またまたウィリアム・ワイラー×ベティ・ディヴィスの作品。ちらっとみたあらすじで「悪女ものか」と思いながら鑑賞。良くてびっくり。 ベティ・デイヴィス演じる主人公は勝ち気な南部の女。「風と共に去りぬ」…

女相続人

女相続人(字幕版) O.デ・ハヴィランド Amazon またまたワイラー。面白すぎるメリハリ。なんて辛辣。 ワイドショーや週刊誌で(元?)皇族の結婚についてあれこれ取り沙汰するのを軽蔑して見てきたが、この映画では娘の求婚者を認めようとしない父親を応援…

ウィリアム・ワイラー祭

続けざまにウィリアム・ワイラーの作品を観てる。先日観た澤島忠監督のインタビュー*1でもお手本として言及されていたし、twitterでもふや町映画タウンの常連さんがふや町がおすすめとして紹介してくれたおかげで出会えた作品としてワイラーのものを挙げてお…

便利箱

以前の掲示板で話題になっていたことを探していたら、2001年に亡き友人mikaさんが書いてくれていた言葉が目に飛び込んでくる。タイトルは「便利箱」。 2001年 5月16日 mikaさんの書き込み 高橋幸広の「前兆」というアルバムに入っている「エイプリルフール」…

甲斐荘楠音の全貌展

国立京都近代美術館で「甲斐荘楠音の全貌」展が開催されている。 www.momak.go.jp 甲斐荘楠音の作品にはじめて触れたのは岩井志麻子の怪談小説「ぼっけいきょうてい」の表紙。 ぼっけえ、きょうてえ (角川ホラー文庫) 作者:岩井 志麻子 KADOKAWA Amazon なん…

わが映画人生

www.bunpaku.or.jp 国立美術館のクラウドファンディング“『わが映画人生』デジタルファイル化プロジェクト”で、日本映画史上、唯一無二の“監督による監督のインタビュー映画”『わが映画人生』(日本映画監督協会製作)約110篇のファイル化が完了。京都文化博…

森の石松

www.shochiku.co.jp 吉村公三郎監督 新藤兼人脚本。1949年。 任侠ものというより、松竹の作った石松ものという感じ。型通りのかっこいい話でなく、飯田蝶子のお母さんや、殿山泰司の友人など渡世業以外のひとがきっちり描かれる人間ドラマ。 観ながら、…

地獄変

1969年豊田四郎監督。 あるとき(「伊豆の踊り子」*1「あこがれ」などを観たあたりか?)から内藤洋子さんの可憐さがとても大好きになりこれもその一環でレンタル。 地獄変 [VHS] 東宝 Amazon 原作は中高時代に何かの教材で読んだ記憶があったのだが映画…

必殺仕掛人、必殺仕掛人梅安蟻地獄

必殺仕掛人 田宮二郎 Amazon 必殺仕掛人 梅安蟻地獄 緒形拳 Amazon 必殺シリーズ、ものごころついてからちゃんと観たことがなく、今年も梅安の名前のついた映画が公開されていることから、ひとつ観てみようという気持ちになった。1973年に作られたこの二…

桃中軒雲右衛門 再見

この映画、2012年に一度観ているのだけど*1、11年を経て記憶に残っていたのは桃中軒雲右衛門というのは厳しい人だったなあということだけ。 近年、「人生劇場」*2などで、いぶし銀の月形龍之介さんの魅力に気付き、そういえばと主演のこの映画を再見し…

栗山大膳

「栗山大膳」は、黒田騒動の物語で、森鴎外の小説にもある。ので、「阿部一族」*1を観たあと、森鴎外原作シリーズのつもりで日活の大河内伝次郎の映画を鑑賞。 栗山大膳 大河内傳次郎 Amazon なんかこんなことある?というような展開もありで森鴎外の「栗山…

阿部一族

昨年戦前の前進座の映画「戦国群盗伝」*1を観て面白さを感じて以来前進座の映画をちょこちょこと観ている流れでの「阿部一族」鑑賞。前進座による映画(熊谷久虎監督)と深作監督のTV版と見比べテイストがあまりに違うので森鴎外の原作も読んでみた。 二作と…

がめつい奴

CSで放映されなんとなく録画していた「がめつい奴」(1960)。監督が最近立て続けに観ている千葉泰樹と知り観てみる。 movies.yahoo.co.jp 釜ヶ崎の自称「ホテル」が舞台。(黒澤明の「どん底」*1のような住環境。)生き馬の目を抜く人々の暮しっぷり。…

OK牧場の決斗

OK牧場の決斗 (字幕版) バート・ランカスター Amazon ワイアット・アープものを色々観ている流れでこの作品も鑑賞。 冒頭流れる音楽とても聞き覚えのあるものだった。 youtu.be 全体的な雰囲気も子どもの頃テレビの洋画劇場で親しんできたようなオーソドッ…

トレマーズ

トレマーズ (字幕版) ケヴィン・ベーコン Amazon 1990年 ロン・アンダーウッド監督作品 twitterで映画アカウントの方がほめておられたのだったか?動機がはっきりしないが、いつか観るつもりのメモに載せていたので借りてみた。 (→追記:ふや町映画タウンの…

七人樂隊

septet-movie.musashino-k.jp 昨秋、香港映画の面白さに目覚め、ちょっとまとめて観るようになったのだが、そのもともとのおこりはジョニー・トー監督の「ザ・ミッション」*1や「暗戦」*2のシャープさ面白さに出会ったこと。彼が中心になって香港の七人の映…

四月の魚

四月の魚 [DVD] 高橋幸宏 Amazon 高橋幸宏さんが亡くなられた。自分たち50代後半夫婦にとってYMOは10代後半から20代前半にどっぷり浸ってアルバムが出るたび追っかけ、娘(30代前半)の友人が「ライディーン」など聴いているのをみると嬉しく思ったりしてとて…

女優ナナ

昨年秋に観た映画「SING」*1に元女優のナナなる大金持ちの老嬢が出てきて名前だけの知識である「女優ナナ」を知りたくなった。手っ取り早いところで映画にて鑑賞。 観たのは、ジャン・ルノワール監督版(1926)とクリスチャン=ジャック監督版(1955…

「カンフースタントマン」からのユエン・ウーピン監督作品

今年の初劇場映画は「カンフースタントマン」。 kungfu-stuntman.com 80年代をピークとする命がけの撮影を支えたスタントチームの仕事ぶりに焦点が当てたもの。 たくさんの証言や撮影映像を切り貼りした作りになっていて凄さは伝わったがちょっと目まぐるし…

荒野の決闘

荒野の決闘(字幕版) ヘンリー・フォンダ Amazon 名作なんだろうなと思いながら「決闘。。バトルものか。。」と観るきっかけのないままここまで来ていた。 先日からワイアット・アープにまつわるもの*1を観始めたものでその一環として鑑賞。タイトルから誤…

ワイアット・アープ

ワイアット・アープ (字幕版) ケビン・コスナー Amazon 「ウィンチェスター銃’73」*1に登場するワイアット・アープが、旅人がその街に滞在中は保安官が銃を預かるということを徹底する、いかにも一目置かれている保安官という敬愛すべき空気に満ちていたので…