痴人の愛 (人間の絆)

 

今回観たのは谷崎じゃない方の「痴人の愛」。

先日からのベティ・デイビスブームの一環として鑑賞。ふや町映画タウンおすすめ作品(☆☆)。

モームの「人間の絆」が原作でファム・ファタールものだけど谷崎作品とは手触りが随分違う。そういえばモームの「雨」*1ファム・ファタールものだったな。この映画で描かれているのはストーリーのごく一部という情報も目にした。

ベティ・デイビスのくすぐる感じの見事なこと、自分に惹きつけようと思ったら噛みつく、みたいな信条もそうだよなあと思わせるし、物語の中で劇的に変わっていくのだけど凄すぎる。

レスリー・ハワード演じる主人公にとっては災厄でしかなく、でも、酷い目に遭っても引っ張られてしまう感じもすごくわかり、もうハラハラしながら見守る。退屈させない編集。

ベティ・デイビス、一番最初に意識したのが1981年のキム・カーンズの楽曲、

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そのあと「八月の鯨」(1987)。老婆と楽曲のつながりもわからぬまま。そして「何がジェーンに起こったのか」*2の怪演という出会い方をしたのだけど、「偽りの花園」*3や「黒蘭の女」*4そしてこちらなどの若い彼女をまず観てからの「八月の鯨」だと感慨がまたかなり違っているだろうな。「八月の鯨」、観たの二十代でその時も面白く感じたけど今観たら尚もっと色々感じつつ楽しめそう。