ブローニュの森の貴婦人たち

1944年ロベール・ブレッソン監督。

18世紀フランスの哲学者ドゥニ・ディドロによる小説「運命論者ジャックとその主人」が原作。ブレッソンが脚色し、ジャン・コクトーがセリフ監修とのこと。

男が女のいうことを額面通りに解釈する悲劇が面白いドラマ仕立てになっているように感じる。

男性の振る舞いが鈍感すぎて女の復讐してやるという気持ちには大いに共感するのだが、そのやり方が。。女にも半ばマゾヒスティックな部分があるのかな。ブレッソン、「ラルジャン*1を観た時も結論の不条理、だけどそこまでの話法のうまさに惹きつけられたが、この作品にもそれを感じた。

財力にものを言わせて、踊り子をしている没落した家の娘をその復讐に利用するが。。復讐とは結局世評。ワイラー監督「黒蘭の女」*2(舞台は1850年代)で女が白いドレスを着て若き男女がお披露目をするパーティで商売女風の赤いドレスを着、婚約者に遠ざけられるベティ・デイビスのことも思い出す。

この映画はエリナ・ラブルデッド演じる利用された踊り子が踊るシーン、そしてクライマックスの彼女の神々しさを映えさす撮影がとても美しくそこも見所。

それにしても込み入った復讐の仕方だったなあ。愛情が残っているからこその丹念さ。