ふや町映画タウンのおすすめ作品がアマプラに出ていたので観てみる。
グレアム・グリーン原作の「拳銃貸します」とルネ・クレール監督の「奥様は魔女」。
両方ヒロインがヴェロニカ・レイクという女優さん。
以前「サリヴァンの旅」*1でも「乾いたユーモアをもつヴァンプ」という言葉に頷いたが、彼女のことを「フィルム・ノワールのファム・ファタール」などと一言で解説してあるサイトもあるが、そこで終わっていないキュートさ、かわいらしさが特徴だ。アニメでたとえると「リボンの騎士」に出てくる悪魔の娘へケートのような感じ。
「拳銃貸します」では、クラブでの彼女の手品シーンがかわいらしく、自立していて秘密もあるけれどつきあっている警官にはとても誠実という造形が魅力。彼女を事件に巻き込むアラン・ラッド(「シェーン」*2の人)演じるかっこいい殺し屋のほうが警官より一枚も二枚も上手なんだけど一番大切なものがわかっている彼女の賢明さ。手品を使う彼女だからこそのプロットも生きている。アラン・ラッドが猫好きという設定になっていて猫が彼の心持ちに深く関係するところにもフィルム・ノワールらしい魅力。
「奥様は魔女」は、あの有名なTVシリーズの元になったともきくが、魔女とその父が人間に復讐するためにやってきてという事の発端のほうをコミカルに描いていてその後の日常を描くTVシリーズよりドラマチック。ルネ・クレールの演出がお茶目で愛すべき一編。ヴェロニカ・レイクも「なんでこの美女が!」というような「うる星やつら」や「花嫁はエイリアン」*3のような可憐さでとてもいい!そういえば、「花嫁は~」でかわいいヒロインを演じたキム・ベイシンガー、「L.A.コンフィデンシャル」では、ヴェロニカ・レイクを意識した片眼にかかったヘアスタイルだった。製作者たちもキム・ベイシンガーにヴェロニカ・レイクを重ねているな、きっと。
↓予告編をみているだけでも楽しさが蘇る「奥様~」。