栗山大膳

「栗山大膳」は、黒田騒動の物語で、森鴎外の小説にもある。ので、「阿部一族*1を観たあと、森鴎外原作シリーズのつもりで日活の大河内伝次郎の映画を鑑賞。

 

なんかこんなことある?というような展開もありで森鴎外の「栗山~」を読んだら、そんな展開はなし。ゆっくり映画のスタッフをみたらテーマになっている人物が同じなだけで映画は森鴎外原作ではなかった。

 

映画でびっくりしてしまった事柄というのは殿様の作っている船を幕府に睨まれるからって勝手に家来である大膳が焼き払ってしまうところ。映画的には見せ場だろうが、これはないのではと思った。

映画ではもう成敗するしかないような殿様がでてきて、とりあえすは大河内の大膳を応援する気持ちで観るのだが、森鴎外の描いている「栗山大膳」は殿様と家老である大膳のギクシャクを割合公平に描いていて、ジェネレーションギャップの物語として面白く読めた。これぞ大岡昇平が書いておられる鴎外の秀でたバランス感覚*2ではないだろうか。

「黒田騒動」はちょっときいたことあるけれど、「軍師官兵衛」や「黒田節」の血統の物語だ。

こちらの対談も黒田騒動についてわかりやすく語られている。鴎外の「栗山大膳」からの説明もあるような。。

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祇園に「栗山大膳堂」という煙草屋さんがあり、名前の由来を知りたいのだけど、お店のinstagramをみてもいまのところわからぬまま。

映画の「栗山大膳」には、一度覚えたら目が離せなくなっている高勢実乗氏が出てきて重苦しくなりがちの画面に楽しい風を送ってくれた。ご典医役。なんだか適当な治療しそう・・