ワイアット・アープ

 

ウィンチェスター銃’73*1に登場するワイアット・アープが、旅人がその街に滞在中は保安官が銃を預かるということを徹底する、いかにも一目置かれている保安官という敬愛すべき空気に満ちていたので、前から気になっていたローレンス・カスダン監督の「ワイアット・アープ」を鑑賞。

彼の真実の姿を少年期から丁寧に描いているということでビデオでは上下巻の長尺。(191分)。それゆえダレるという評判も目にしていた。冒頭などジーン・ハックマンが登場するところはさすがの空気で画面が引き締まる。ワイアットの父親役でワイアットにも精神的な影響を大いに与えるのだが、登場シーンは残念ながらあまり多くない。

銃不所持のシステムの徹底も反発を招くもので力で抑え込む部分も多く、父親から言い聞かされた「血は水より濃い」という言葉が信条のワイアットゆえ、友人も少ないが、ドク・ホリディという人物との友情は、ドクを演じたデニス・クエイドの何ともいえない色気も大いにプラスに働きみていて気持ちの良いものであった。

ワイアット・アープが電撃に撃たれたようになる女性はなかなか惹きつけるものがあった。ジョアンナ・ゴーイングという人が演じているけど知らない人だった。

 

wikipediaの「ok牧場の決闘」の項を読んでいると、かなり史実に即したつくりだったことが確認できるけれど、他に魅力的な作品のあるローレンス・カスダン監督の作品*2の中ではあまりすすめられない部類の作品という印象を持った。岩場での闘いもちと「ウィンチェスター銃’73」に似ているところあり。